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『洞察力』を磨く

こんにちは。
ジュノスタイルの若林純子です。

1月のテーマ「観察力を磨く」に引き続き、“今ある”自分を見つめる作業を今月も続けていきます。今月のテーマは『洞察力を磨く』です。

前回のコラムでは、観察する力を「いい悪いの判断はせず、観たものをそのまま受け取ること」と定義しました。では、洞察力とはなんでしょう?
洞察力とは、「物事の本質を見極めること」です。ヨガを通しての私の個人的な感覚ですが、物事を表面だけで判断を下すのではなく、その奥にある本質を見る力のこと。

数多くあるアーサナを何度も練習しながら、よく観て(感じて)を繰り返していくと、あるシンプルなアーサナに行きつきます。それがタダーサナです。シンプルなタダーサナの中に全てが包括されています。これがアーサナの本質です。

本質を見極める作業とは、案外とてもシンプルなのかもしれません。マインドフルネス瞑想(シャマタ・ヴィパッサナ瞑想)が、複雑化している思考を一つ一つ剥がして、心の本質を見抜こうとする作業であるように。

本質にたどり着くという考え方は、陰陽の極みではないでしょうか。陰陽は、両極の性質をしっかり理解した上で、調和を試みます。バランスを理解します。陰陽の原点「易経」では、「中(ちゅう)である」という言い方をします。陰陽どちらが正しいとか正しくないとかではなく、それら両方を超えたところに中があります。最後はとてもシンプルでかつ広大な境地なのだと思います。

本質を知り理解した先に、私たちは何を見るのでしょう。それは行きつくまでの旅のプロセスとも大いに関係がありそうです。自力で一歩一歩登っていくイメージがしますが、繰り返し同じアーサナに触れながら、身体の声に丁寧に傾聴する姿勢が大切だと感じます。

アーサナをするときにポーズの形やその姿を整えようとする傾向に陥りがちですが、“見かけの形”ではなく、実際に自分で感じる“内側の感覚”が大切です。私はそれを「インナー・アーサナ」と読んでいます。内観しながら静かに五感を研ぎ澄まして、身体を深く感じていきます。
洞察の道は、そこから始まります。自分自身に格好つける必要はなく、素直に“今ある”身体に触れてみます。その経験の積み重ねが少しずつ蒙を開いてくれます。

  • *Junostyleは、全米ヨガアライアンス認定スクールです。RYT200とRYT500の両資格の取得が可能であり、ヨガから瞑想までトータルで学べるヨガスクールです。特に、陰ヨガがメインとなりますが、ヨガを通して精神や心の質を高めることに注力しています。(詳細は>>>こちら
  • *過去のワークショップを一定期間視聴できます。見逃した方、まとめて学習やプラクティスをしたい方におすすめです。詳細等は、オンデマンド〈見逃し配信〉をご覧ください。

若林純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
若林純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/