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陰の季節の養生法〜呼吸を整えよう!(パート2)

養生とは自然治癒力を最大限に生かすこと

五行説によると、秋は“呼吸”と繋がりのある金の五行の季節です。五臓と経絡でいうと、肺(肺経)になります。体の役割の中で、肺が呼吸を担当していることは、容易に想像できると思います。声の大きさなども肺のエネルギーと関係しています。呼吸は肺の力で体内に入り、さらに最も陰の性質を持った腎で腹式呼吸へと、深い呼吸を完成させます。中医学でいうところの健康は、身体の自然な力を最大限に働かせるところにあると思います。養生とは、今、シンプルに持っているモノ(自然治癒力や免疫力など)を一番いい形で生かそうとする努力です。中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」にある陰陽五行が唱える季節に応じた養生法は、まさに四気の変化に応じて私たちの自然治癒力を最大限に発揮できる方法を教えてくれています。

秋の養生は呼吸を鎮めること

秋は「収」というエネルギーの質を持っています。活動を収めるわけです。心身も落ち着きを取り戻して収めていく時です。草木は枯れて落ち葉となり、生き物たちが活動を静かにしていく季節。気分が落ち込みやすくなる季節でもあります。身体と心は繋がっていて、身体が不調をきたせば心も不調になります。逆に、心が不調になれば凝りや痛みとなって身体の不調として現れます。呼吸が浅くなれば、悲しみや憂いの感情に支配されやすくなりますし、気分が落ち込むと呼吸が浅く短くなるでしょう。呼吸は、免疫力を支えるエネルギーでもあるので、肺の自然な力が発揮できないでいると、風邪などを引きやすくなります。従って、呼吸を鎮めて、元気で丈夫な身体を維持するとともに、感情に振り回されることのない心が落ち着いた毎日を心掛けたいです。

9月と10月と呼吸をテーマに陰ヨガをプラクティスしていきます。まずは、“ありのまま”の呼吸を見つめてみてください。

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/