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私のヨガ〜 vol.2 静けさが生む心の余裕

静寂へと導いていく陰ヨガ

ヨガの経典と言われるヨガスートラには、八支則(アシュタンガ)というものが書かれています。これは、サマディ(悟り)に向かうためには、8つの段階があるということを説いています。八支則によると、ヨガのアーサナ(ポーズ)は3段階目。アーサナは、身体を使って自分を知る作業をしている段階です。その後、呼吸が落ち着き、五感が開いて、落ち着きや集中が増してくると、瞑想(メディテーション)へと向かい、最後にサマディが訪れるという8つの段階を説明しています。

その性質に違いはあれど、陰ヨガも陽ヨガもアーサナは楽しいです。身体の柔軟性が増してきます。身体の凝りがほぐれたりして健康になれます。また、どんどん難しいポーズにチャレンジしたりする達成感や成功体験を与えてくれます。

私の陽ヨガ(ハタヨガ)は、アライメントを重視したヨガです。一つ一つの動作に細かい意識を置いて、関節のスペースと筋肉のトーンを大事にします。アーサナを自分の身体に意識を向ける動作として使っています。外側の筋肉だけでポーズを取るのではなく、コア(またはディープコア)を重視することから、ボディラインも綺麗になってきます。


私の陰ヨガは、アーサナを静寂へと導いていくヨガです。動きのある陽ヨガも、最終的にはサマディに向かうために、静けさを持っていく必要があります。筋肉ばかりに意識を向けたアーサナばかりでは、いつまでも精神面の深いところまではたどり着けません。八支則を読み解いていくと、ヨガは、身体へのアプローチから、精神のアプローチへと変容していくのが自然な流れだと思うのです。

身体が静かになっていくと、今度は、精神の静けさへと進みます。精神が落ち着くことは、どんな時にも必要なことです。仕事をするときも、料理をするときも、スポーツをしている時も。睡眠をとる時ですら、精神が落ち着いてないと、質のよい睡眠が取れません。


静寂さから生まれる人生の豊かさ

人生を豊かにするには、まず自分の心が満ち足りていることが大切です。心の知足には、心の静寂さが不可欠です。心の静寂さがない人は、その人に余裕や空間といったスペースがなく、その人が醸し出すオーラもないからです。

陰ヨガは身体的に関節の柔軟性を高めてくれて、動きの可動域の向上を助けてくれます。すると、動きももっともっとスムーズになります、身体の奥深くまで意識を研ぎ澄ませて動くことができるようになります。 動きを少なくし、大地に委ねるように静止し、静寂さを保つことで、心が満ちていく空間が広がってくるのがわかるでしょう。

皆さんの心は、静かですか?
スペース(余裕)はありますか?
満ち足りてますか?

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/