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動じない心の強さ

こんにちは。
ジュノスタイルの渡辺純子です。

コロナ禍で心が病んでしまっている人のお話を聞くことがあります。少しずつ活動ができる世の中になってきましたが、世界情勢などを考えても辛い時期は続きそうです。だからこそ、個々人の心の在り方が問われている時代なのかなと思います。
今日は、ヨガをしている私らしく、“心の強さ”のお話をコラムにて自由に書こうと思います。

大地のように“陰”を持つこととは?

皆さんは、「動じない心の強さ」というとどういう心を想像しますか?
鉄のように硬い壁をつくったり、どんなものでも跳ね除けてしまう反撃力や攻撃力を持つ心でしょうか。しかし、ここでいう「動じない心の強さ」とは、そういった攻撃性を持つものを指してはいないです。
「真の動じない心の強さ」とは、とても柔軟で何でも受け入れることのできる器量の大きい様をいうのだと思うのです。大地のように。つまり、“陰の性質を持つ“ということです。

陰ヨガを習ったばかりの頃は、動に対して静だとか、実に対して虚だとか、昼に対して夜だとか、基本的な陰陽の図式を持って陰陽論を理解していました。しかし、陰ヨガのプラクティスを深め、陰陽五行論や中医学の知識を得るにつれて、陰陽の示す意味をより深く見出せるようになりました。ちょっとずつではありますが、洞察力が培われたのだと思います。

自分に素直に心を開くことから始めよう!

動じない心とは、オープンで分け隔てなく開かれている心のことを言います。弱々しい感じでもいいのです。開かれているというのは、素直になること、嘘をつかないことです。
自分のことをよく見せようとしていませんか。
自分に対して嘘をついていませんか。
現実から逃げて、夢の世界にどっぷり浸かっていませんか。
きちんと自分の心身に意識を真っ直ぐに目を背けずにいられていますか。
自分自身に心を開いていますか。

アーサナをする際に、今の自分を直視できない人は、その時の自分の柔軟性を直視せずに、「ここまでのばしたい!ここまでいきたい!」と体に無理をしてしまいます。すると、怪我の原因になることも。かつて初心者ヨギだった私も例外ではなく、ハムストリングスの筋を無理に伸ばしてしまったことがあります。その後、上手に開脚が出来ず、陰ヨガをすることで5年かけて完璧に治しました。

体調や気候の変化により、心身は変わります。心がストレスなどでキューっと硬く縮まっている時は身体が硬くなります。心が悲しんでいたり、幸福感を感じてない方の中には姿勢が悪い人も多いです。そんな時、私たちはもがいてしまいがちですが、そんな時だからこそ、素直に自分の心身に寄り添っていればいいのです。逆に、自分と一緒にいる絶好の機会でもあります。

ヨガの先生として存在することの意味

きちんと“陰”を突き詰めていくと、大地のように動じない心にたどり着きます。“陰”の性質持つことは、優しくて、冷静かつ強い自分を築いてくれます。表側には見えにくい性質かもしれません。だから、洞察力が必要なのです。洞察力とは、深く観て、発見する力のことです。
このことに気がついた人は、大らかでしなやかながらも不安や恐怖に動じずに、または一瞬動じたとしても、元の正気な自分にすぐ戻ってこられるのだと思います。その動じない心の持ち主は、自分を良い方向へ必ず導いていくし、幸せへと向かわせてくれるのだと思います。その幸せのかけらは、自分だけでなく周りの人のこともきっと幸せにしてくれるでしょう。

私は、ヨガを教えるのが大好きです。今まで培ってきた洞察力により、プラクティスを通じて発見したことを伝えること、それが、私の存在する役割のような気がするからです。これからも身体を通して、ヨガのアーサナを通して、「動じない心の強さ」を培うためのエッセンスを伝えていきたいと思います。

  • *過去のワークショップやzoomレギュラークラスが一定期間視聴できます。見逃した方、まとめて学習やプラクティスをしたい方におすすめです。詳細等は、オンデマンド〈見逃し配信〉をご覧ください。

渡辺純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
渡辺純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/