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“陽”のための“陰”をする

こんにちは。
ジュノスタイルの若林純子です。

4月のテーマは、『“陽”のための“陰”をする』です。
陰陽は調和の哲学ですが、今月は陰の側からの目線で、調和に向かう上での陰の役割を追求していきたいと思います。

新潟日報カルチャースクールのワンデー講座「陰ヨガ」の告知ページにも書いたものを引用すると、陰の定義はこうなります。

「陰」とは、静寂、静止、鎮静、弛緩、休息、保蔵、受容、回復、滋養、養育といった性質を意味します。体で言えば、休息や睡眠の質を高め、元気を保蔵する役割を指し、心で言えば、冷静さや穏やかさなど安定を助ける要素となります。
どちらも活動(陽の働き)のための土台となります。

つまり、陰の活動がない陽の輝きはないということです。しかし、この陰陽の相対的な哲学は、現代人に伝わりにくいことが多い印象です。場合によっては、休息とか、睡眠とかいった休む行為が、無駄であるように思われているからです。巷では、「タイパ」という言葉もあるように、何でもかんでもスピードをアップして最短で成し遂げようとする世界観の中では、ゆっくりとした性質をもつ陰が受け入れられにくいように思います。

私は、陰ヨガをすることで陰の性質を体感してきました。身体的なところでは、関節や体の内部の柔軟性が高まり、体の動きの範囲が広がるなど、陽ヨガ(ハタヨガ)だけでは到達できなかった領域を触れることができました。また、体へアプローチをするアーサナだけでは不十分だと感じ、心の静けさと落ち着きを養い、心を育てる瞑想へとヨガのプラクティスを広げてきました。

瞑想は、プラクティスにとどまらず、心の哲学(私の場合、チベット仏教)を学ぶことも大切です。何故なら、心へのアプローチを実現するためには、心の仕組みを学び、自分の心を観察することが必須だからです。アーサナの理解を深めるために解剖学が必要なことに似ているかもしれません。これが発想力を向上さえて、世界を観るための視野を広げてくれました。

さらに、相対理論である陰陽理論の理解の幅を広げるべく、修身の書と言われる「易経」を学んでいます。不思議なことに、瞑想に出会った7〜8年前に、偶然この易学にも出会いました。体で実践をするアーサナから始まった私のヨガの旅は、心や精神といった自分と向き合う道(瞑想や易学)へと導かれていきました。

実りや達成を得ることや前進することを”陽”と捉えるとしたら、静かな時間を持って、心身を緩ませる”陰”の行動を落ち着いて丁寧にすることで、自然にその”陽”はやってきます。今月は、皆さんにとっての「“陽”のための“陰”をする」を体感してほしいと思います。

  • *Junostyleは、全米ヨガアライアンス認定スクールです。RYT200とRYT500の両資格の取得が可能であり、ヨガから瞑想までトータルで学べるヨガスクールです。特に、陰ヨガがメインとなりますが、ヨガを通して精神や心の質を高めることに注力しています。(詳細は>>>こちら
  • *過去のワークショップを一定期間視聴できます。見逃した方、まとめて学習やプラクティスをしたい方におすすめです。詳細等は、オンデマンド〈見逃し配信〉をご覧ください。

若林純子

株式会社ジュノスタイル代表取締役。陰(いん)ヨガ指導者。
Junostyle~自分らしい自然なライフスタイルを探す旅~というコンセプトのもと、陰ヨガ、アロマセラピー、食を通して「陰(いん)のあるライフスタイル」を提案。
とくに、女性のライフスタイルのバランスを追求し、日本全国やアジアで陰ヨガのワークショップを行っている。講師養成にも積極的に取り組んでいる。
全米ヨガアライアンス認定講師・英国IFA認定アロマセラピスト。
若林純子のブログ:https://junostyle.jp/ownerblog/